韓国のコロナ対策、「社会的距離の確保」とは?

韓国のコロナ対策、「社会的距離の確保」とは?

依然として韓国でもコロナ(新型コロナウイルス、COVID-19)が猛威を振るっていますが、今回は韓国のコロナ対策について説明していきたいと思います。

韓国でコロナ対策として大々的に行われているのが、感染予防・感染拡大を防ぐための「社会的距離の確保」というものです。コロナの流行の程度に応じて、対策の措置を5つの段階に分け、それぞれの施設や状況ごとに詳しくどのような対策を取るべきかなどについての指針が定められています。

また、韓国のコロナ対策で特徴的なのは、単なる「要請」ではなく「行政命令」として発令されているため、違反した場合は罰金が科されるなど、厳しく徹底的に対策が行われています。

このような韓国のコロナ対策や「社会的距離の確保」について、詳しく見ていきたいと思います。

韓国ではどのようなコロナ対策がされているのか?
「社会的距離の確保」とはどのようなものか?
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「社会的距離の確保」とは?

社会的距離の確保(사회적 거리두기)」は、直訳すると’社会的距離置き‘という意味ですが、特に多くの人が集まる場所や場面に置いて‘社会的’な距離を取ることによって、コロナの感染予防及び感染拡大を防ぐことを目的とするもので、韓国政府が主導となって実施されている政策です。

例えば、大人数が集まるイベントや集まりを制限したり、そのような施設の営業・運営の制限、飲食店の時間短縮営業、マスクの着用義務化、外出の自粛要請や在宅勤務の拡大要請などが含まれています。

「社会的距離の確保」は、英訳では’social distancing’とされているので、日本でいう「ソーシャルディスタンス」と概念は似ていると思います。

この「社会的距離の確保」は、2020年6月末に名称が統一され、コロナの流行の程度や対策措置の程度に応じて1~3段階に分けて施行されていました。2020年11月からは、コロナの長期化に伴い段階をさらに細分化し、1.5段階と2.5段階が新設され、5つの段階に分かれた社会的距離の確保のコロナ対策が実施されています。

この社会的距離の確保の5つの段階について、さらに詳しくどのような内容になっているのか見ていきます。

1段階

「社会的距離の確保」の第1段階は、日常生活と社会・経済的な活動は維持しつつ、コロナ予防のための防疫規則を遵守し、生活の中での距離の確保を行う、「生活防疫」が概念として掲げられています。

基準

週の平均1日国内発生感染者数が、首都圏100人、他地域30~10人未満の場合。

主な防疫措置

公共施設での制限措置
・クラブなどの風俗店、カラオケなどでの人数制限や、食堂・カフェで一定の距離をとるなど
・ネットカフェ、結婚式場、葬儀場、塾、公演会場、映画館、遊園地、銭湯、室内競技場、美容室、スーパー・百貨店などにおけるマスク着用義務化

日常生活、社会・経済的活動における制限措置
・公共交通機関、医療機関などでのマスク着用義務化
・500人以上の集会等は自治体の許可が必要
・スポーツの観覧などは50%のみ観客入場可能

1.5段階

1.5段階は、特定の地域でコロナの流行が始まっている段階とされており、その特定の地域で1週間以上感染の流行が続き、医療体系が通常の対応の範囲を超えそうな状態である場合に当てはまります。特定地域での感染の流行が始まる段階であるため、1段階よりさらに徹底した生活防疫を行うよう呼びかけられます。

基準

週の平均1日国内発生感染者数が、首都圏100人、他地域30~10人以上の場合。

60代以上の週の平均1日感染者数が、首都圏40人、他地域4~10人以上の場合。

主な防疫措置

公共施設での制限措置
・クラブなどの風俗店、カラオケなどでのダンス、座席移動の禁止や、食堂・カフェで一定の距離をとるなど
・映画館などで他の観客と座席の距離をとるよう制限
・1段階の施設に加え、室外競技場でのマスク着用義務化

日常生活、社会・経済的活動における制限措置
100人以上のイベントや一部の行事の禁止
・スポーツの観覧などは30%のみ観客入場可能
・学校での密集度2/3を遵守

2段階

第2段階は、特定の地域での流行が急速に広がり、全国的な感染の拡大の兆しがある段階であり、1.5段階の措置後も持続的に感染者が増加している状況に当てはまります。特定の地域でのコロナの流行が本格化するため、危険な地域では不必要な外出や集まりを自粛し、人が多く集まる公共施設の利用を自粛しなければいけません。

基準

次の項目のうち、いずれかを満たした場合。

① 流行地域で1.5段階が1週間経過した後、感染者数が1.5段階基準の2倍以上持続した場合。

② 2つ以上の地域で1.5段階の流行が1週間以上持続している場合。

③ 全国の感染者数が300人を超えている状況が1週間以上持続している場合。

主な防疫措置

公共施設での制限措置
・クラブなどの風俗店の営業禁止、カラオケなどは21時以降の営業中断
・食堂は21時以降テイクアウト、デリバリーのみ可能
・カフェはテイクアウト、デリバリーのみ可能
・映画館などでの飲食禁止、座席は1つおきに空けるよう制限
・室内全面及び室外の危険度の高い活動においてマスク着用義務

日常生活、社会・経済的活動における制限措置
・100人以上のイベントや行事の禁止
・スポーツの観覧などは10%のみ観客入場可能
・交通機関(車両)内での飲食物の摂取禁止(国際航空便は除外)
・学校での密集度原則1/3(高校は2/3)

2.5段階

2.5段階は、全国的に感染の流行が本格化している段階で、医療体系が通常の対応の範囲を超える水準であり、全国的な流行が1週間以上持続または拡大している場合に当てはまります。全国的に感染が拡大しているため、なるべく自宅で過ごし、外出・集まりや公共施設の利用をできる限り自粛することが求められます。

基準

全国の週の平均1日発生感染者数が400~500人以上、または全国が2段階以上で、1日の感染者が2倍に増加するなど、急激に感染者が増加する傾向が発生した場合。

*2.5段階に引き上げる場合は、60代以上の新規感染者の比率、重症患者の病床受容能力などを主に考慮して判断する。

主な防疫措置

公共施設での制限措置
・クラブなどの風俗店、カラオケなどの営業禁止
・食堂は21時以降テイクアウト、デリバリーのみ可能
・カフェはテイクアウト、デリバリーのみ可能
・映画館などでの21時以降の営業中断
・室内全面及び2mの距離の維持が難しい室外においてマスク着用義務

日常生活、社会・経済的活動における制限措置
・50人以上のイベントや行事の禁止
・スポーツの観覧などは無観客
・KTX、高速バスなどは50%以内の予約制限を勧告(航空便は除外)
・学校での密集度1/3を遵守

3段階

第3段階は、全国的な大流行の状況を想定したものであり、全国的に急激に患者が増加し、医療体系が崩壊する危険に直面している段階に当てはまります。原則的に自宅で過ごし、他人との接触を最低限にすることが求められます。

基準

全国の週の平均1日発生感染者数が800~1000人以上、または、2.5段階の状況で1日の感染者が2倍に増加するなど、急激に感染者が増加する傾向が発生した場合。

*3段階に引き上げる場合は、60代以上の新規感染者の比率、重症患者の病床受容能力などを主に考慮して判断する。

主な防疫措置

公共施設での制限措置
・クラブなどの風俗店、カラオケなどの営業禁止
・食堂は21時以降テイクアウト、デリバリーのみ可能
・カフェはテイクアウト、デリバリーのみ可能
・映画館などの営業中断
・室内全面及び2mの距離の維持が難しい室外においてマスク着用義務

日常生活、社会・経済的活動における制限措置
10人以上のイベントや行事の禁止
・スポーツ競技の中断
・KTX、高速バスなどは50%以内の予約制限(航空便は除外)
・学校における授業は全面リモート
・職場では必須人員以外の在宅勤務などを義務化





まとめ

「社会的距離の確保」は、コロナの流行の程度に応じて段階別に取られる措置が分けられており、各段階に応じてどのような対策を行うべきか定められている。

韓国の政府主導のコロナ対策である、「社会的距離の確保」は、段階別に基準や措置が細かく分けられており、今どのような段階・状況であるのか、何に気をつけて行動しないといけないのかがわかりやすくなっていると感じます。

特に既存の3つの段階から、1.5と2.5段階を追加して5つの段階に増やしたことにより、さらに細かく詳しくなりました。2.5や3段階への引き上げは、経済活動を大きく制限する方針となっているため判断もかなり慎重に行われており、3段階はこれまでまだ発令されていない状況です。

一人一人がこの「社会的距離の確保」の方針を遵守し、一日でも早くコロナが収束していくことを願っています。

「社会的距離の確保」に関するさらに詳しい指針の内容や、感染者の現況など、韓国におけるコロナに関する情報は、政府機関である保健福祉部のホームページやコロナウイルス感染症(COVID-19)特設ホームページにて見ることができるので、参考にしてみてください。

韓国保健福祉部のホームページ

コロナウイルス感染症(COVID-19)特設ホームページ

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