韓国と日本の法律の深い関係とは?

韓国と日本の法律の深い関係とは?

日本と韓国は地理的にも近い国であり、文化なども似ているところが多いですが、実は法律も似ているところが多いのです。

今回の記事では、そんな韓国と日本の法律がなぜ似ているのか、どのようなところが似ているのかについて、説明します。

韓国と日本の法律の深い関係とは?
なぜ、似ているのか?どのような部分が似ているのか?
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韓国併合

韓国と日本の両国に深い関係が生まれたのは、1910年の韓国併合によって、韓国に日本の法制度が適用されることになったのがきっかけでした。

韓国併合とは、1910年に締結された「韓国併合に関する条約」によって日本が韓国を併合し領土化した出来事のことです。その後、朝鮮総督府という韓国の京城(現在のソウル)に設置された朝鮮統治機関を通じて1945年までの35年間、日本は韓国を植民地として統治していました。

ちなみに、この朝鮮総督府は戦後韓国が独立し、中央庁という政府庁舎として使われた後、長い間国立中央博物館として利用されていました。その後、1995年に韓国独立50周年を記念して、爆破撤去されました。

1994年に撮影された光化門の様子

韓国ソウルのメインストリートともいえる光化門に、ごく最近まで日本の統治を象徴する建物が経っていたということです。このような風景から、サムネイルの画像にもなっている今の光化門の姿になったというのは、なんとも不思議な気持ちになります。

こうして、韓国の法制度はその多くが日本の植民地時代に整備されたため、法律の構成や法律用語、法解釈に至るまで、日本の法制度と非常に類似したものとなっています。

韓国法の特徴

韓国法は世界中の国・地域の法律のうち、日本の法制度に最も似ています。そんな韓国の法律の特徴について見ていきたいと思います。

韓国でも漢字が使われていた

韓国では、以前は漢字が使われていました。文在寅(第19代大統領)、朴槿恵(第18代大統領)といったように、現在でも名前は漢字名が一般的です。以前は新聞や教科書などにも漢字が使われており、漢字教育も行われていたため、今の50代以上であれば漢字を読める人が多いです。

また、韓国語の語彙には漢字語が多いということもあり、日本の法律が適用され、戦後独立した後も日本の法律をほとんどそのまま使いやすかったのではないかと思われます。

韓国の法律書や論文なども、2000年頃より以前は漢字とハングルで書かれたものも多く、韓国の法律家に漢字が使える人が多いのもそのような文献に触れるからなのです。

日本人の私としては、ハングルのみの文献よりも漢字とハングルで書かれているものの方が読みやすいので、むしろそのような文献を得意としていましたが、最近では漢字を読める若者が減ってきているため、漢字が入っている出版物は売れないそうで、ハングルのみの文献が増えている現状です。

韓国と日本は同じ法体系

大陸法(シビルロー)や英米法(コモンロー)という言葉を聞いたことはありますか?

世界の法律は、この大陸法と英米法の2つの体系に分類することができます。

大陸法の代表的なものはドイツ、フランス法で、英米法は文字通りイギリスとアメリカ法が代表的なものです。大陸法の特徴は、成文法主義という文書の形で制定された法を基準とする考え方で、議会や政府が作る、憲法や民法、刑法などが成文法です。英米法の特徴は、判例法主義という裁判によって示される法的判断である判例を基準とする考え方です。

日本は、ドイツ法やフランス法の影響を大きく受けている大陸法体系に属していて、その日本法の影響を大きく受けた韓国法もまた、大陸法体系に属しています。法律の体系という大まかな分類が韓国と日本は同じであるため、このような部分で韓国と日本の法律は似ていると言えます。ですが、韓国では大統領制を採用していたりなど、その他の法律の部分でも英米法の影響を受けている所もあり、少しずつ違っているとこもあります。韓国と日本の法律の違うところについては、また次の機会に説明したいと思います。

日本の判例を参照する韓国

裁判によって示される法的判断である判例は、日本では明治時代から蓄積されてきました。一方、韓国では戦後(独立後)の判例の蓄積が不足しているため、現在でも韓国の裁判実務においては日本の判例が参照されることがよくあります。

そのため、韓国の法律業界において日本語ができる人材、日本の法律に詳しい人材は重宝されると感じています。判例以外にも、法改正や新法制定にあたって、改めて日本の法律と比較し研究することもあるため、韓国と日本の法律は切っても切れない関係であると思います。

近年の韓国法

日本からの独立後、韓国は「漢江の奇跡」とも呼ばれる急速な経済成長を遂げ、それに伴い急激な近代化に対応するべく、法律の分野でも法改正を重ね急成長していきました。

独立後の韓国は、軍事政権からの民主化を経験しているため、人権や弱者保護に敏感である上、国民の利便性確保にも非常に関心が高いといえます。また、大統領制、実質的な二大政党制であることから、法律の新設や改正、運用の変更が速やかに行われやすいという特徴もあります。

このように近年の韓国法では、日本と類似した法制度の中で、日本よりも先進的な制度も多くみられるようになりました。

以前は日本法を研究する韓国人法学者が多かったのですが、ドイツ法やフランス法、英米法に目を向けて研究する法学者も増えました。また、韓国法を研究する日本人法学者も以前はあまりいませんでしたが、最近では韓国法の発展により、日本側の韓国法の研究や教育も活発化しています。





まとめ

韓国では過去に日本の法制度が適用されていたため、法律が似ている。
法体系から実務的な部分まで、両国の法律は似ているところが多岐にわたる。

韓国と日本の法律はほとんどが似ていると言っても過言ではないくらいですが、近年は韓国法もどんどん改正が行われているという現状です。

また、次の機会に韓国と日本の法律の違う所について説明してみたいと思います。

最後に、韓国の法律に興味を持った人や、もっと詳しい内容を知りたい人のために、参考図書をおすすめします。高翔龍(고상룡)という韓国のとても有名な法学者であり、日本でも東大などで教授を務められ、多くの論文や文献を書かれた教授が、日本語で韓国法について詳しく、わかりやすく書いた本です。

参考図書: 高翔龍「韓国法 第3版」(法律学の森) 2016年、信山社

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